今月のニュースギター早期才能教育の勧め教室のご案内発表演奏会弾き初めコンサート
門下生コンクール成績著作物案内著作抜粋紹介村治昇ギター教授歴50年の歩みリンク

ギター・だ〜いすき・第1集「はじめに」
おもしろギター“ギターってこんなに面白い”「はじめに」
ギター・だ〜いすき・第2集「はじめに」
はじめてのギターソロ“ソロってこんなにおもしろい”
ギター・だ〜いすき・第3集 ギタリストへの入り口/新ギター・メソッド「はじめに」
ギター・だ〜いすき・第4集 ハイテクニック・マスターのための/新ギター・メソッド 〜アランブラへの道〜「はじめに」
ギター・だ〜いすき・第5集 シリーズ全4巻解説/やさしいソルフェージュ付「はじめに」
ギター・だ〜いすき・オーケストラと弾く世界の美しいメロディー「はじめに」
デュオで楽しむソロ曲の魅力 "デュオでわかるソロ曲の仕組み"「はじめに」



ギター・だ〜いすき・第1集
「はじめに」


幼児がギターを弾く姿はかわいいものです。日常の家族団らんのひと時に、幼児のギター演奏が加わったらどんなにかすてきでしょう。来客者や祖父母に、もみじのようなかわいい指先からはじけるギターの音色を聴かせてあげたら、どんなにか喜ばれることでしょう。さらに発表会のステージに身長とかわらぬギターを抱えて登場する様を想像すると、まさに一幅の絵を見るようなかわいらしさと共に、満場の拍手を一身に浴びる様が目に浮かんで思わず微笑んでしまいます。

音楽の勉強は、早い時期からスタートすべきことが常識となっているにもかかわらず、これまで4歳前後よりギター・レッスンのできる幼児用ギター教本は、皆無に近い状態でした。

しかし、当教本の発刊により、これまで教材不足から幼児のギター指導を避けていた先生方やご家庭でも、安心して楽しくギター・レッスンをスタートさせることができます。そして、スタートと同時に幼児が発揮する音楽におけるさまざまな高い能力に目を瞠り、驚きの声を上げるに違いありません。

日に日に上達していく姿は見ていて楽しいものです。きっと夢や希望も大きく育って行くことでしょう。

この教本との出会いにより、かわいい豆ギタリストがたくさん誕生することを楽しみにしています。

村治 昇



おもしろギター“ギターってこんなに面白い”
「はじめに」


昨今(2004年)の日本ギター界・若手ギタリストの台頭には目をみはるものがあります。その活躍の場は日本国内に留まらず、海外まで拡がりつつあります。これらの状況はクラシック・ギターの将来に大きな希望を抱かせるものです。

一方、視点を身近なところに移してみると、上述の若い優秀な才能は特殊な恵まれた環境の中で培われた結果によるものがほとんどです。したがってクラシック・ギターを始める幼児、小学生低学年生は増えてはきているものの、まだまだの感があります。その原因の1つにはジュニア用ギター教材の不足が挙げられます。そういう状況の中で、今回出版の運びとなったこの「おもしろギター"ギターってこんなにおもしろい"」はその打開策の一翼を担う大きな役割を果たすものと確信しております。

ギターはむずかしいものという一世代前の認識はもはや完全に覆されるものになるでしょう。ギターの本来の姿は、やさしく、楽しく、多様性に富み、さらに先へ進めば限りなく深い芸術性を備えており、しかもまだまだ未開拓の分野が秘められている素晴らしく魅力ある楽器なのです。この曲集はそんな魅力のほんの一部を紹介するものですが、それでも子供たちが目を輝かせて夢中になるアイディアの数々に溢れています。

この曲集は多くのギター好きな子供たちをよりやさしく、より楽しく、しかも正統的な方向で導くものになることを念頭において編纂に工夫を凝らしてあります。また、この曲集の出版によって、ギターに興味を持っている多くの子供たちがギターを始めたくなり、ギターがより好きになるきっかけ作りになればこんなに嬉しいことはありません。

ギターの天使との出会いを待ちこがれているすべての子供たちに、愛を込めてこの曲集を贈ります。

2004年6月
村治 昇



ギター・だ〜いすき・第2集
「はじめに」


ギターの練習を進める上で、単旋律の練習は最も基本的な訓練であるにもかかわらず、従来のギター教本には共通して不足している課題でした。

単旋律を完全にマスターしないままハーモニーの練習に進んだ場合、様々な弊害が生じます。一例をあげると、応用の利かない丸暗記の練習に陥り易く、それではいくら年数をかけても目覚ましい効果は期待できません。

また、幼児や小学校低学年の小さな手では、ギターから美しい和音の響を引き出すのはとても困難なことです。そしてややもすれば、和音は難しい押さえで汚い響きと、好ましくない観念を頭に植えつけてしまいかねません。

当テキストはそれ等の点を考慮し、単旋律の練習に徹しています。単旋律の練習を充分に積むことによって、ギター本来の美しい音を知り、さらにはそれぞれのメロディーから、優しさ、楽しさ、陽気さ、力強さ、静けさ、切なさ・・・と様々な感情が込められている音楽の本質を感じ取ることでしょう。

また、デュエットの練習を通じ、美しいハーモニーを知った上で和音練習に入ることができれば、すぐには美しい響きを出せなくても、もっと美しい響きを出したいと思う気持ちが自然に湧き、それに向かっての本物の練習に取り組むことができるでしょう。

このような正しいスッテプを踏むためにも当テキストは大いに役立つことと自信を持ってお勧めします。そして単旋律を弾きこなす実力が備わった暁には、子ども自身の力で好きなメロディーや知っているメロディー、あるいは心に浮かんだメロディーをどんどんギターで表現することができるようになり、それによってどんなにか豊かな心が育まれて行くことでしょう。

改訂新版を刊行するに当たって
全てのメロディーに対してイメージを持って練習できるよう、イメージ・アドバイスを強化しました。早いうちから感情を込めた練習を続けていけば、将来素晴らしい演奏ができるようになるでしょう。是非、そのように進めてください。

2013年10月
村治 昇



はじめてのギターソロ“ソロってこんなにおもしろい”
「はじめに」


(かんじがよめないみなさんは、お父さん、お母さんによんでもらいましょう)

メロディーが弾けるようになった皆さんは、そろそろ独奏(ソロ)をしてみたいと思うようになってきていませんか?ソロを弾いている先輩たちの演奏はかっこいいですよね。でもちょっと待って下さい。ソロにあこがれるのはわかりますが、そんなにやさしいものではないのです。ソロを弾くには左指でたくさんの音を押さえたり、右指もふくざつな動きをしなければいけないのです。ですから順序をふまず、いきなりむずかしい曲に取り組んでしまうと、ギターってむずかしい楽器だな、と思ってしまったり、もっと悪いのは左指や右指を痛めてしまうことだってあるのです。少しおどかしてしまいましたが、大丈夫!そうならないように、やさしく楽しく独奏力をつけるのがこの曲集のねらいなのです。

ではまず一番やさしいソロ曲からはじめましょう。たった1音の開放弦の音を使ってステキな伴奏ができるのです。そうです、メロディーに伴奏音を入れるとソロ曲になるのです。将来は伴奏音がたくさんふえたり、いくつものメロディーを同時に弾いたりして、名曲がソロで弾けるようになっていくのです。その日がくるのを楽しみにし、また目標にして、まずはこの「はじめてのギターソロ」をらくらくと演奏できるようにしましょう。そして仕上がったレパートリーは友達や家の方たちに聴かせて、じまんして良いですよ。きっと「かっこいいね!」とか、「すごいね!」とか「上手になったね!」とほめてもらえると思います。みなさんのますますのがんばりを期待しています。

「はじめてのギターソロ」の出版にあたって
村治 昇



ギター・だ〜いすき・第3集
ギタリストへの入り口/新ギター・メソッド「はじめに」


「ギター・だ〜いすき・第1集&第2集」で単旋律(メロディー)をマスターした後は、いよいよ"ハーモニー"の練習です。ハーモニーの美しい響きはこれまた特別なものがあります。このメロディーとハーモニーを料理に例えるならば、食べる前にワクワクしたり感動してしまうような見た目の美しさがメロディーで、食べてからその美味しい味わいに酔いしれるのがハーモニーです。いくら見た目が美しくても、味が良くなくてはがっかりしてしまいますし、反対に味は良くても見た目が悪くては、これまた食べたい気持ちが湧いてきません。どちらが欠けてもだめなのです。ですから食べる前の感動が、食べてからさらに増してこそ素晴らしい料理と言えるのです。

音楽も全く同じで、いくら美しいメロディーとハーモニーでも、それぞれを単独で聴いたのでは、何か物足りなさが残ってしまいます。その両方が合わさったときに、はじめて充実感が備わり、心から大きな感動が湧き起こる音楽が誕生するのです。

さあ!この第3集はその美しいハーモニーの入門編です。このハーモニーに含まれる分散して奏されるアルペジョも、ギターの美しさを一段と引き出し、素晴らしい効果をあげる奏法です。この技術もしっかりマスターしてください。

ところで、ハーモニーの練習は、複数の音を押さえたり弾いたりするため、演奏が難しくなり、そのためややもすると技術のみに神経が集中してしまい、折角のハーモニーを聴けない練習に陥りやすい面をもっています。これでは音楽不在の片手落ちの練習になってしまいます。また、自分の出すハーモニーに美しさが感じられないようでしたら、調律が悪かったり、弦が古かったり、振動が不良の弦だったり、あるいはきたない音で弾いていたりと、何かしら原因があるはずです。ですから美しい響きが得られるまで改善を試みなければなりません。そうしないと先ほども述べた通り、音楽のない練習を積むことになってしまいますので、充分に気をつけなければいけない大切なことです。

それらのことを心に留めて、ページをめくるごとに、新たな美しさの発見に心をときめかせながら練習をすすめてください。

村治 昇



ギター・だ〜いすき・第4集
ハイテクニック・マスターのための/新ギター・メソッド 〜アランブラへの道〜「はじめに」


新ギター・メソッド第3集「12の基本練習と目的別練習」を修了した皆さんは、これからがいよいよ本格的なギター練習にはいります。新しいテクニック、そして美しく楽しいギター曲との出会いに、心を踊らせていることでしょう。

これから出会う名曲を弾きこなすには、装飾音、トレモロ・・・とそれぞれのテクニックを1つずつマスターしていかなければなりません。そしてそれらをしっかり学んだ暁には、前途洋々たるギターの世界が拡がっているのです。

本書の特徴は、基本練習と応用曲を交互に練習できるように組み合わせてあることです。基本練習が教本の最初や、巻末にまとめて置かれてあると、ついつい曲だけの練習になりがちです。そうならないために基本練習を分割し、あたかもハードル競技のように、いくつも分散して置かれてあります。ですからハードルを何度も飛び越えながらゴールを目指すように、基本練習のページをマスターしつつ、本書のゴールである「アランブラの想い出」を目指せるように書かれてあります。

本書で取り上げた応用曲は、魅力ある作品ばかりを選んであります。ですから1曲1曲が楽しく練習に取り組めるばかりか、次の曲に進むのが待ち遠しい気持ちに駆られることでしょう。しかしここで避けなければいけないことは、それぞれの曲を中途半端な仕上げのまま先へ先へと進んでしまうことです。それでは真の実力が付くはずはありません。しっかり仕上がるまで弾き込むことが、たった1つの上達への道であることを心に留めておかなければなりません。

基本練習についてもう少し述べますと、本書には14の基本練習のページが設けられています。そこにはアルペジョとスケールの課題が毎回含まれています。なぜならこの2つのテクニックは基本中の基本だからです。アルペジョの中には誰もが目標とするトレモロ練習が12パターンと多く組まれていますので、その練習によって、きっと美しく粒の揃ったトレモロが得られることでしょう。次に多いのはセーハの10パターン、スラーの5パターンと続きます。その他、音のチェック表、アポヤンドとアル・アイレの使い分け練習、ビブラートの練習、左3・4指の強化練習、スピード練習、曲作りのヒントなど盛り沢山の練習方法が用意されていますので、各人の不得意な技術の解決に役立つことでしょう。

それでは、1つ1つの基本練習と、1曲1曲の応用曲を楽しく、しかも意欲を持って取り組み、ゴール曲である〈アランブラの想い出〉に到達することを心より応援しています。

村治 昇



ギター・だ〜いすき・第5集
シリーズ全4巻解説/やさしいソルフェージュ付「はじめに」


本書は現代ギター社刊「ギター・だ〜いすき・第1集、第2集及び第3集」の解説講座を、「現代ギター」1997年4月号より3年間に渡り連載したものを基に、さらにいくつかの記事、楽譜を加えてまとめたものです。

さて、幼児指導の最も肝心な点は、いかにギターに興味を持たせられるかにかかっています。この導入部が上手にいけば、後はレールに乗ったも同然で、幼児の持つすばらしい能力がどんどんとギターを上達に導いていきます。しかしギターに興味がわかない状態で進めば、ギターのむずかしさだけを押し付ける羽目になったり、気の入らない練習を繰り返し一向に上達しないなど、良い結果に結び付かない当然の成り行きに向かってしまいます。そういう意味からも、本書の最初に載せたいろいろな「楽しいギター遊び」のアイディア例は、ギターに興味を持つ楽しいきっかけ作りの大きなヒントになるでしょう。

また、幼児期のギター指導で、楽しい導入の次に大切にしたいことは、音感能力を高めるアプローチです。ギター上のテクニックに関しては、幼児の未発達な指ではとても多くのことは望めません。しかし音感の吸収力に関しては、成人には手の届かないすばらしい能力が潜んでいるのです。しかもこの能力は、何も働きかけをしなければいつしか消えてしまうものなのです。とすると、この能力を伸ばすアプローチこそ、この時期に一番力を入れるべきものなのです。そういう観点から、本書の第1集解説講座、第2集解説講座に載せた「ソルフェージュ入門T・U」はぜひともお薦めしたい教材です。そして、「ギターだ〜いすき」に加え、「ソルフェージュもだ〜いすき」になって欲しいのです。

また、第1集から第2集、第2集から第3集に、よりスムースに進めるための曲を加えてありますので、それらをマスターしてから次のテキストに進めば、より良い結果を出すことでしょう。

さらにもう1つのお薦めを挙げるならば、ギターを上達するための心得として挙げた、第2集解説講座にある「ジュニアのための上達12カ条」、及び第4集解説講座にある「ギターを上達するための諸条件」には、上達するためのヒントがたくさん込められていますので、それらを自分のものとして実践していけば、必ずや良い結果に結びついていくでしょう。

ご父母様へ
お父様、お母様にぜひ心してほしいことがあります。それはギターレッスンを通じて起こるさまざまな事柄に対し、そのつど考え方や対処の仕方をしっかり話し合い、最良の解決策を見い出していっていただきたいのです。

例えば、1週間で仕上げられるような宿題曲を仕上げ不十分なままレッスンに持っていったとします。当然レッスンで上手に弾けないわけですから、そういう機会をとらえて決してそのままにせずに、子供と話し合う時間を持ってほしいのです。"上手に弾けなかったことを恥ずかしいと思う気持ち、熱心に教えてくれる先生の信頼に応える練習態度について、1週間の過ごし方の反省と改善策、ギターに対しての意欲、今後どうすればいいか・・・"等などを上手に話し合ってください。ギターが真に上達するためには、上達する考え方ができ、しかも上達するための努力もでき、さらにはギターが大好きになる心が育っていかなければ本物にはなりません。それらが共に成長し続けていける環境作りこそが、ご両親に与えられた一番の課題です。その課題を愛情を込めてしっかりと進めていけば、きっと素晴らしい成果となって花開くことでしょう。

村治 昇



ギター・だ〜いすき
オーケストラと弾く世界の美しいメロディー「はじめに」


ギターの楽しみにはギターソロの他にギターデュオ、ギタートリオ、ギターカルテット、ギタークインテット、ギターアンサンブルといろいろな楽しみ方があります。また他楽器との共演も魅力的です。フルート、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、マンドリン、ハーモニカ、ヴォーカル、その他多種多様な楽器との共演が可能です。

しかしそういう楽しみを味わうにはギターを演奏する能力が高くなくてはできません。そしてそのレベルに到達するためには、たくさんの練習と長い努力の期間が必要です。努力の先には大きな楽しみが待っていることは事実です。そこを目指して努力する姿勢はとても大事なことです。

一方、ギターを始めた第一歩の段階から難しさを感じることなく、常に楽しみながら上達できるように工夫されているのが「ギター・だ〜いすき」シリーズのテキスト並びに併用曲集です。それにより、その時点時点の力量で最大限の楽しみを味わいながら上達していくことが可能になりました。

本曲集の目的も同様で、高い演奏レベルに到達していなくても、ギターの練習を始めて単旋律が弾けるようになったなら、その時点で早くも大きな楽しみを味わえるようにと編集したのがこの曲集です。その大きな楽しみとは、自分で演奏するメロディーが、なんとオーケストラと共演できてしまう夢のようなことの実現です。音階を覚えてメロディーが弾けるようになった皆さんに、大きな楽しみを用意したプレゼント曲集です。

先に挙げた他楽器との共演のうち、最大規模のものはアランフェス協奏曲などオーケストラとの共演です。しかしこれは限られた演奏者にしかその機会が訪れない夢のまた夢で、誰にでもできることではありません。しかし本曲集ではその夢のまた夢を味わえるのです。オーケストラをバックにしてソリストの気分になり、自分の奏でるギターの音がオーケストラのさまざまな楽器の響く中で浮遊する至高の楽しみを味わえることでしょう。

本曲集が練習で楽しむに留まらず、ホームパーティーや発表会、ミニコンサート等々いろいろな場で活用されることを期待しています。そしてギターが前にも増して、もっともっと大好きになり、さらに上達を望む気持ちが強くわき上がるようであれば、こんなに嬉しいことはありません。

村治 昇



デュオで楽しむソロ曲の魅力
"デュオでわかるソロ曲の仕組み"「はじめに」


ソロ曲を勉強している皆さんが共通して陥りやすい盲点があります。それは何かと言うと、声部の弾き分けができていないことです。その原因は声部の見分けと聴き分けができていないから起こることなのです。わかりやすく言えば、メロディー音と伴奏音を弾き分け(聴き分け)ていないのです。つまりメロディー音と次のメロディー音との間に入っている伴奏音あるいは第2メロディー音もすべてメロディーとして捉え、1本のラインで聴いてしまっているのです。これでは本来のメロディーとは異なるメロディーとして弾いてしまっていることになります。

ギター譜は上記のことが起こりやすい記譜となっているので、正しく読み取る読譜力を学ぶ必要があります。これがピアノ譜ですと2段譜になっていて、上の段は右指担当、下の段は左指担当となっているので声部の見分け、弾き分けがわかりやすくなっています。しかしギター譜は1段の5線の中にメロディーも伴奏も同時に書かれているので、注意深く見たり、経験を積まないと正確に読みとることが難しい記譜となっているのです。左指でメロディー音も伴奏音も押さえ、右指でもメロディー音と伴奏音を弾き分けると言う、とても複雑なことをしているのです。ですから実力以上の曲や、分析力のないままの状態でソロ曲に取り組むと、左指の押さえに神経が集中してしまい、声部の弾き分けまでは気が回らなく、その結果メロディーも伴奏も混同した演奏になってしまうのです。

そのような欠点を補う目的で編集したのが本書です。ここで取り上げた曲は全てソロ用の曲です。そのソロ曲をメロディー・パートと伴奏パートに分けてデュオで演奏できるように編集してあります。ですから、この曲集を練習することにより、どれがメロディーで、どれが伴奏かがはっきりと理解できるでしょう。そして目と耳の両方で曲を分析する力が付くことでしょう。

また何よりもデュオを楽しみながらソロ曲の仕組みがわかり、ソロ曲の魅力と奥の深さも知ることになるでしょう。その後にソロ曲に取り組めば、ソロ曲の本来の構成を把握した、魅力的な美しいソロ演奏ができることになるでしょう。

また本書のもう1つの大きな特色として、初級者でもソロの小品名曲集に早くから親しめる利点を備えているのです。初級者がソロ曲を手がけるようになるまでには数年を必要とします。しかし、単旋律を弾く力が備われば、本書のメロディー・パートを担当することができ、早い段階からソロ曲のメロディーを楽しむことができるのです。そうすればやがてソロ曲を演奏する実力が付いたときに、メロディーは既にしっているのですから、曲を正しく理解でき、しかも早く仕上げることができるでしょう。

是非そのようなメロディーの応用曲としての活用もしてください。きっと初級時代の練習がより楽しいものになり、メキメキとギターの実力が付いていく進み方ができるようになるでしょう。

村治 昇

村治昇ギター早期才能教育教室
〒160-0022 東京都新宿区新宿4丁目-3-12 パシフィックワコービル904
TEL:03-3866-6308  FAX:03-3866-6309
Copyright (C) Noboru Muraji. All Rights Reserved.
プライバシーポリシーについて